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本当の強さとは

2026年05月04日

 最近、習いごととして護身術を身につける女性が増えているそうです。強くなって自分を守らないといけないというのが理由だそうです。一昔前は、茶道、華道を習う人が多かったものですが、人間関係が希薄化して物騒になった時代の流れゆえでしょうか。

 ところで「強くなる」とは、どういうことでしょうか。おどおどすることなく、相手を言い負かすぐらいの勇気を持ちたい。また、大物になって人に文句を言わせたくないという方もおられるでしょう。しかし、競争に負けず、お金を稼げることが本当に強いということなのでしょうか。こんな風に言う方もおられます。「自殺するのは心が弱いからだ」「薬に頼るなんて、怠けているからだ」と。
他者の心境を理解しようともせず、「私はまとも」だと裁きの心で人間を量ってしまう。

 しかし私たちは、お金持ちであったり、健康で才能があるというだけでは、安らかな心で生きていくことはできません。なぜなら、強さを手に入れた瞬間から、常に競争の中でおびえるようになるからです。そういう人の心は常に孤独です。実のところ、強くなりたいと願う心に弱い自分が潜んでいるのかもしれません。

 私たちは自分の力で生きているのではありません。人間は強いのではなく、弱いのです。それがわからないと、弱さから逃げることしか考えられなくなるのです。本当に強い人というのは、今の自分をそのまま認める心を持った人のことなのでしょう。そして人間に必要な「力」は他者と共存していける情け(心の根)を、人間関係の中で育てることではないでしょうか。相手の気持ちも察していける心を育てないといけません。

 亡き人は、善悪、勝ち負けに振り回され自分を見失った私たちに、お浄土から「どうか、自分を尊び、他者を大切にして助け合う関係の中で生きてほしい」と願われています。そう考えると、参ってさしあげているのではなく、私たちが仏さまから常に案じられていると気づきますね。