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真宗大谷派(東本願寺)のお焼香の作法

2019年12月02日

葬儀や通夜の際には、参列者が一人ずつお焼香をします。お焼香とは、抹香と呼ばれる粉末状の香を手で摘み、香炉に落として香を焚くことです。線香を使って行う場合もあります。

お焼香の作法は宗派によって異なります。おおよその流れは大体どの宗派でも同じですが、焼香の回数や線香の本数など違う場合があります。

今回のコラムでは、真宗大谷派(東本願寺)のお焼香の作法を解説していきます。

真宗大谷派(東本願寺)お焼香の作法

   

抹香と線香、それぞれの作法について順番に説明します。

抹香の場合

①仏壇の前に進み、遺族と参列者に一礼する
②仏壇に向き合い、合掌する
③右手の親指、人差し指、中指で抹香をつまむ
④抹香を静かに香炉に落とす
⑤再度抹香をつまみ、香炉に落とす
⑥仏壇に向かって、合掌する
⑦遺族と参列者に一礼し、席に戻る

真宗大谷派(東本願寺)において、抹香を香炉にくべる回数は2回とされています。

しかし参列者が多い葬儀の場合は「焼香は1回でお願いします」と案内が入ることがあります。 その場合は案内に従って焼香をするようにしてください。

線香の場合

①仏壇の前に進み、遺族と参列者に一礼する
②仏壇に向き合い、合掌して一礼する
③右手で線香を1本~2本取る
④線香を香炉に入る長さに2つか3つ折る
⑤折った線香を香炉に寝かせて供える
⑥仏壇に向かって、合掌して一礼する
⑦遺族と参列者に一礼し、席に戻る

線香で焼香を行う場合は「線香を折り、寝かせて供える」というところが他の宗派と異なる点です。

古来より浄土真宗では、常香盤(じょうこうばん)と呼ばれる香炉でお香を焚いていました。灰の中に直線を折り曲げたような幾何学模様の溝を型押しし、そこに抹香を敷き詰め火をつけることで、長時間お香を絶やさないようになっています。

常香盤でお香を焚く作法に準じて、線香を寝かせて供える作法が残されたとされています。

なぜお焼香をするのか

お焼香は故人を供養するための儀式と思われがちですが、本来の意味は自分自身の心と身体の穢れを取り除き、清浄な心で仏に手を合わせるために行うものです。

お焼香をすることで心を落ち着け、清らかな心でお参りをするといった意味が込められています。お焼香は故人にとっても自分自身にとっても、非常に大切な儀式なのです。

今回のコラムでは、真宗大谷派(東本願寺)のお焼香の作法を紹介させてもらいました。

故人の宗派に合わせた作法でお焼香をするのが最善ですが、必ずしもそうしなければいけないわけではありません。

大切なのは故人のご冥福を祈る気持ちです。 心を込めてお祈りをすることを第一に考えていれば、作法が多少違っていたとしても問題はありません。

しかし、いざお焼香をする場面になったときに作法を何も知らなければ、慌ててしまって弔う気持ちが薄れてしまう可能性があります。そうならないためにも、基本的な作法は頭に入れてから葬儀や通夜に向かうようにしましょう。