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愚痴

2025年12月01日

 愚痴は「言っても仕方のないことを嘆くこと」ですが、これはもともと仏教語です。意味は「仏さまの真実の智慧に暗いこと」です。人は「自分のこころ」を信じているので、「真実」が見えません。ところが、仏さまは「人間のこころ」を煩悩と教えて下さいます。

 煩悩とは、怒りや欲望の感情のことですが、それは表面的なことで、もっと深い煩悩は、比べられないものを比べて悲しみ、苦しむこころです。煩悩は「比べるこころ」ですから、いつでも人と自分を比べます。ですから、時には「自分も捨てたものではない」と自惚れることもあれば、「どうせ自分なんてダメな人間だ」と自棄にもなります。それを操っているのが「人間のこころ」、つまり煩悩です。ただし、それが煩悩のはたらきだと気付けば、煩悩の束縛から解放されることがあります。

 どんな愚痴も聞いてくださり、あらゆる声を聞き逃さず、この私達に寄りよってくださるのが仏様です。仏様の顔を思い浮かべてください。大きな耳をしておられますが、これはどんな声も聞き逃さないというお姿がお顔にも表されています。辛いこと、苦しいこと、困難なことに直面することもあることが人生です。

 そんな時にはどうか仏様に愚痴を言ってみてください。そこには必ず仏様が寄り添ってくださいます。愚痴ではなく、自然に「南無阿弥陀仏」とお念仏がこぼれるようになりたいものです。