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仏・菩薩・明王・天

2023年04月29日

 仏教には、いろいろな宗派があり、様々なお寺にたくさんの仏像が安置されています。釈迦如来・阿弥陀如来・大日如来・薬師如来などの「如来」のほか、観音菩薩・地蔵菩薩・文殊菩薩などの「菩薩」、さらに不動明王などの「明王」あるいは帝釈天や梵天などの「天」のように、多種多様な仏像が見られます。それらは大きく分けると、仏・菩薩・明王・天となります。

 歴史上実在が確認されているのは、生身の人間であるガウタマ・シッダールタという北インドの方が、覚りを得て仏陀となられたことです。ガウタマ・シッダールタは釈迦如来、釈迦牟尼世尊、ガウタマ・ブッダなどと呼ばれています。いわゆる「お釈迦さま」です。

 お釈迦さまの教えに触れた人々や弟子となった方々によって、仏教の大きな流れができ、現在に至っています。仏教の歴史の最初期頃には、仏像は存在せず、菩提樹や足跡や法輪など、お釈迦さまを連想させる象徴のようなもので表現されました。

 お釈迦さまは、説かれた経典の中で、様々な仏さまを私たちに教えてくださいました。後に、その経典に学ぶ人の中で、どの仏さまを中心とした経典を最重要と考えるかで、いくつかの流れができました。私たちの苦悩からの解放や宇宙の原理、また救われようのない私たちが救われるあり方を仏の形で表現されているのでしょう。お釈迦様の滅後、数百年のうちに様々な仏像が刻まれ信仰されていくようになりました。

 仏陀は真実に目覚め、浄土を開き、苦悩する私たちを救うはたらきをしますが、その仏陀となる前の段階を「菩薩」と呼びます。「菩薩」は、人々を救おうとの願いを誓いとして表明し、仏陀への道を歩みながら、人々を導く状態にあるものでし。仏陀よりも、具体的に人々の苦しみや悩みに寄り添い導くために、菩薩は様々な姿で表現されます。例えば、観音菩薩(観世音菩薩・観自在菩薩)は、11面観音や千手観音など様々な姿の仏像があります。

 「明王」とは、仏の智慧を身につけた優れた人の尊称ですが、仏の命を受けて、帰依しない人々に帰依を促す役割を担っています。そのため、力強く恐ろしげな姿で表現されます。

 「天」は、インドの神話の神々が、仏法の守護神として取り入れられたものを「天」と呼びます。インド神話の最高神インドラのことを、仏典では「帝釈天」と訳されます。このように様々な仏像がありますが、真宗のお寺では、阿弥陀仏が安置されています。